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2020.06.18

香川県の公立高校、生徒を全国から受け入れへ

香川県教育委員会から、令和3年度入試(令和3年3月実施)より、生徒を全国から募集すると発表されました。とくに事前情報もなかったため、まだまだ受験生にとっても情報がたりていない状況ですが、今回は分かっている範囲で、背景について考えてみたいと思います。

 

●倍率に影響なし

 

今回発表された導入スケジュールは次のとおりです。

 

・令和3年度入試(令和3年3月実施) 希望する高校のみ
・令和4年度入試(令和4年3月実施) すべての公立高校

 

定員については「県内の生徒を対象とした入学定員とは別枠で設定する」となっており、県内の受験生にとって志願倍率の点では影響がないことが分かりました。今年はじめての導入で、はたしてどれほどの出願があるのか、どれだけの高校が全国募集に踏みきるのかは、まったく読めていません。

注意しなければならないのは、生徒募集を全国に広げた一方で、学区制がどうなるかにはひと言も触れられていないという点です。このままいけば、県内の受験生にとって制度的な変更はなにもないということになりますね。

 

過去記事 香川県公立入試の基礎知識 ~学区制~

 

●教育委員会の設定する目的

 

どうしてわざわざこのような制度をつくったんでしょう?

これまで香川県の公立高校は、基本的に香川県内に居住している生徒しか受験することができませんでした。もちろん香川県への転居予定者など、例外はありましたが、それもかなり限定的なものです。

 

教育委員会は今回、受け入れを決めた理由を次のように示しています。

「他県の生徒と本県の生徒が共に学ぶことにより、多くの刺激を受けることで、異なる価値観を受け入れ理解しようとする姿勢や自分の意見を他者に伝えるためのコミュニケーション能力を育成するため」
参照:香川県教育委員会高等教育課「全国からの生徒募集について(概要)」

グローバルな時代、いろいろな価値観の人とコミュニケーションをとり、柔軟性と発信力を身につけていこう! ということですね。社会ではダイバーシティ(Diversity、多様性)の受け入れが大切にされていますから、高校生のうちからさまざまな人とかかわることは、大きな財産になりそうです。

 

●募集拡大の背景

 

なんでこのタイミングだったんだろう? という点について、いくつか考えてみました。

 

▶少子化による生徒の減少

香川県教育委員会の統計データから、現在の中学3年生と小学1年生の県内総数を比較すると、以下のような数字がみえてきます。

 

2020年度
中学3年生 8949
小学1年生 8163

 

お分かりでしょうか。なんと約10年後には、香川県内の中学3年生=受験生がおよそ10%減少するのです。この傾向は都市部からはなれるほど強くみられ、実際に東讃地区の志度、津田、石田の各高校は統合されることが決まっています。これから先もっと受験生が減ってしまうまえに香川県が早めに手を打とうとした、ということは考えられますね。統合については、今後ほかのエリアの動きにも注意が必要です。

過去記事 【香川県】速報! 石田・志度・津田高校が統合されます

 

▶就学支援金制度の拡充による私立高校への生徒流出

令和2年4月から、私立高校の実質無償化がはじまりました。制度の詳細についてはまた別の機会にとりあげますが、世帯年収が590万円未満の場合、支給上限額が以前よりも大幅に増額され、39万6,000円となります。この金額は大半の私立高校の年間の授業料に相当するため、諸経費を除いて実質無償となります。

 

これによって、子供たちは本当に行きたいと思う高校に行けるようになります。以前は学費の違いもあって、受験生はなんとなく公立高校を目指すのが一般的でした。しかしこれからは私立高校にも、公立高校とほぼ変わらない金額で通えるようになるのです。選択の幅がひろがるこの機会に、全国からの受け入れもしてしまおう! ということかも知れませんね。

参考 文部科学省「私立高校実質無償化リーフレット」

 

▶コロナ禍によるある種の「疎開先」としての想定

一時期ほど猛威をふるうことはなくなったようですが、まだまだ油断できない新型コロナウィルス。東京・大阪などの大都市では、いったん感染症が広まるとあっという間に数が増えてしまいます。おかげで日用品や食料品が手に入らないという時期もありましたよね。

筆者が耳にしたところによると、そういった大都市で働くことに不安を感じている方もいるようです。その考えは社会人だけのものではありません。ふるさとに戻りたい、地方で力を発揮したいと考える方たちの受け皿として、香川県が率先して全国からの募集を決めた可能性があります。

 

まとめ

公立高校の入試制度は、都道府県によってまったく異なります。香川県公立高校の合否判定は、当日の筆記試験と内申点、それぞれ別々に順位がつけられ、どちらも定員内に入っていなければなりません。内申点の計算方法も独特です。過去の記事がありますので、興味がある方はぜひ参考にしてください。

過去記事
香川県公立入試の基礎知識 ~当日点と内申点のおさらい~
香川県公立入試の基礎知識<応用編> 内申点の目安について

 

このように新たな制度ができると、時代の変化を感じますね。ベスト個別学院は、単なる学習の場だけでは終わらず、教育をはじめとした社会全体の動きを知るキッカケが提供できるよう、これからも努めてまいります!