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勉強お役立ちコラム

2018.09.12

香川県公立入試の基礎知識 〜当日点と内申点のおさらい〜

とうとう夏休みが終わり、受験本番まで残された時間は半年を切りました。中3生は診断テスト、模試、定期テストと、これから怒涛のようにテストを受けることになり、そのたびに入試が現実味を帯びてくることででしょう。猛暑は過ぎ去り、日に日に冬が近づくのを実感するにつれ、なんとも言えない焦りが出てきます。しかし、ただ焦っているだけでは何も生まれません。結果を得るためには、まず行動。なにはともあれ、目の前の課題を一つひとつこなしていくしかないのです。今回は香川県の公立入試制度の基本のおさらいです。当日点と内申点について、再確認しておきましょう。

 

【制度の基本と間違いやすいポイント】

香川県公立高校の一般選抜は、学力検査当日の得点(すなわち筆記試験の点数)と学習の記録の評定(各教科5段階で評価されるアレの合計=内申点)の2項目で合否の判定がなされます。当日の学力検査は、国語・数学・社会・英語・理科の5教科各50点の250点満点(注1)。 内申点は、1年生から3年生までずっと評定オール5を取り続けたら、220点満点となります(計算方法はあとで述べます)。ここで気をつけなければならないのは、合否の判定に際して、「当日点と内申点を合計するわけではない」ということです。これは地元の人間でもよく勘違いしているポイントなので、少し詳しくお話ししましょう。

 

たとえば、秋も深まってくると、学校や塾で以下のような会話が交わされたりします。生徒「せんせー、高松商業って何点とれたら受かる?」 先生「そうやなあ、当日点と内申点あわせて300あったらいけるんちゃう?」といった具合でしょうか。例年の傾向から、高松商業高校の商業科は「当日点+内申点」で300点を超えていれば、確かに合格を狙える位置にいると考えてよいでしょう(もちろん、年度ごとの倍率によって合格ラインは変動しますので、鵜呑みにしてはいけません)。ただし、これはあくまで慣例的に基準をわかりやすくしているだけで、「入試の実施細目に書かれている正式な評価方法ではない」のです。

 

【評価の方法と計算式】

公立高校の一般選抜は、内申点でまず順位を付けられ、当日点でも順位を付けられ、そのどちらか一方でも定員からはみ出た場合、不合格となります。極端な話ですが、中学3年間ずっと優秀で評定オール5を取り続けた猛者でも、試験当日に点が取れなければ不合格となります。反対に、当日点で各教科オール満点の250点をマークしたとしても、評定に1があったりしたら、合格可能性はかなり低くなります(注2)。当日点は、正答に応じて得られる得点そのままなのですが、内申点の計算方法は単純な合計ではなく少々独特ですので、以下に表で示します。     

 

(「香川県公立高等学校入学者選抜実施細目」の記述に依拠)

 

評定平均が「3.0」であれば内申点は132点、「3.3」で145点、「3.5」で154点、「4.0」なら176点となる計算です。中3生の2学期期末テストが終了した時点で内申点は計算できるので、正確に知りたい場合は学級担任の先生に尋ねてみましょう(近年では個人情報保護の観点からという理由で正確な点数を教えず、「だいたい○○点くらい」とぼやかす先生も増えてきましたが)。しかし、点数の計算ばかりしていても志望校に合格できるわけではありません。 中1・中2の評定をいまさらどうこうすることはできませんが、中3の評定を2から3に、3を4に変えるだけで、勝率は大きく変動します。自分で決めた目標に向かって、あきらめずに努力を続けられた人にだけ、道は開かれるのです。受験生のみなさんは、これからの一日一日を大切に、最後の最後まで受験勉強に励んでください。

 

(注1)かつては、指定科目の得点を1.5倍にして合計点を計算する「傾斜配点」制度が存在していました。普通科や実業系問わず、多くの高校・学科で実施されていましたが、平成29年度の石田・三木・飯山・笠田の4校での実施を最後に、平成30年度からは実施されていません。

(注2)ただ、合否の判定は厳格に点数だけが基準というわけではないのが実情と言えます。特に合否の当落線上にある生徒の場合、高校ごとに独自の判断がなされているらしく、一律に点数だけで決められているわけではないようです。