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【令和8年度 埼玉県立高校入試】注目問題|道の駅、ピザ、緑のカーテン——日常に顔を出す入試問題

エリア:全エリア共通 埼玉

ベスト個別 編集部

入試問題と聞くと、教科書の中だけの話に思えるかもしれません。

ですが実際に埼玉県の入試問題を読んでみると、道の駅、ピザ、夏の窓辺、スーパーの野菜売り場——日常のあちこちに教科の知識が顔を出す瞬間がありました。

5教科の中から、筆者が思わず手を止めた4つの問題を紹介します。

 

1英語|道の駅のシンボルマーク

外国人にとっては説明が必要で、コミュニケーションが図られているシーンは、英語長文でよく見られる構造です。大問4の1問目が該当します。

 

「道の駅」に関するシンボルマークの由来を扱っており、日本人にとっては「しんにょう」という漢字の偏(へん)を模していることが想像できますが、漢字に馴染みのないTomには説明が必要です。

以下の英文からシンボルマークを脳内で再現することが求められています。ぜひ一読してみましょう。

 

On the left side, there are two trees and a parking space. On the right side, there are a building and a human figure. The human figure looks like the “i” for information. Also, the trees, parking space, and road are drawn to look like “shinnyo.” It is part of the kanji for “road.”

 

この英文だけを手がかりに道の駅のロゴマークの形を想像できますか?

漢字を知らない相手にどう伝えるかをきっかけに、情報を伝えるという語学の本質に気付かされる問題ですね。

 

参考記事:道の駅のシンボルマーク|国土交通省

 

 

2数学|どのピザが大きい?

数学は、実生活から一番遠い教科だと思われがちです。

埼玉の入試問題も計算中心の設問が多い中、大問1の⒃だけは、ピザという身近な題材を扱った問題でした。

 

ピザのサイズS・M・Lの半径が与えられます。

もちろん全体で考えるとLサイズが一番大きいのですが、大問1⒃では、切り分けた一切れ同士の大きさを比べる問題として出題されました。

以下のア、イ、ウどれが一番大きいか分かりますか?

 

ア:半径r [cm]、円形(360度)

イ:半径はアの1.5倍で半分(180度)

ウ:半径はアの1.8倍で三分の一(120度)

 

アを1とすると、イは1.5×1.5÷2=1.125倍、ウは1.8×1.8÷3=1.08倍。答えは「イ」、Mサイズを半分にした一切れが一番大きくなります。

予想と一致しましたか?見た目の大きさの感覚は、実際の数字とずれることがあります。

日常的に「どっちがお得か」を見極める場面でも、同じ検証の力が役立ちます。身近なことを数学的に考えることを促してくれる問題ですね。

 

3理科|緑のカーテンの効果

理科は、実験や暗記のイメージが強い教科かもしれません。

ですが、大問3の問5だけは、夏によく見る「緑のカーテン」という身近な光景を扱った問題でした。

 

壁面緑化を街中で見かける機会も多いことでしょう。

筆者である私の息子が通う小学校も一部の壁面が緑化されています。

 

ここでは、「緑のカーテン」について問われています。

植物が水を光合成と蒸散でどのように取り込み、排出しているかを知っていれば解答に困りませんが、「緑のカーテン」の説明文を注意深く読めば、蒸散により熱が吸収されるという選択肢「オ」を選ぶことができます。

これは人の汗と同じ仕組みです。

汗をかいていないと熱がこもりやすいのと同じように、植物も気孔から水を蒸発させることで涼しさを保っています。

 

緑の植物があると涼しく感じますよね?

それは、水が蒸発するときに周りの熱を奪う「気化熱」のおかげです。

植物も人も使っている、生き物に共通する体温調整の仕組みです。

 

街中の何気ない光景にも科学が潜んでいると気付かせてくれる問題です。

 

参考記事:緑のカーテン事業|さいたま市

 

 

4社会|菊の電照栽培

社会は暗記科目だと思われがちです。ですが大問2問4は、知識の量よりも、目の前の情報から仕組みを推理できるかを問う出題でした。

 

大問2問4では、愛知県での菊の栽培量の多さが取り上げられています。

愛知県が菊の産地として有数だと知っている人は少数派でしょう。

問われているのは、「愛知県では菊の栽培が多い」「電照栽培が行われている」という2つの事実から、「電照栽培とは何か」を自分の言葉で説明する力です。

 

文中には、菊が「日照時間が短くなると開花する」性質を持つことと、農家が「夜間に電照している」ことの2つの情報が示されています。

この2つを組み合わせると、仕組みが見えてきます。

もし同じテーマが令和9年度のマークシート方式で出題されるとしたら、こんな形になるかもしれません。

 

日照時間を( X )することで開花時期を( Y )

 

ア X:長く Y:早める

イ X:長く Y:遅らせる

ウ X:短く Y:早める

エ X:短く Y:遅らせる

 

正解は「イ」。

夜間も照明を当てることで菊にとっての“日照時間”を長く感じさせ、開花時期を遅らせているのです。

 

スーパーに一年中並んでいる花や野菜を、少し意識して見てみてはいかがでしょう?

自然のリズムを人の都合に合わせて調整する技術は、社会が「需要」とどう向き合っているかを映す縮図でもあります。

 

参考記事:令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜に関する情報|埼玉県

 

 

5まとめ

道の駅、ピザ、緑のカーテン、スーパーの花や野菜——どれも教科書の外で出会う光景です。

入試問題は、そうした日常の断片を、教科の視点でもう一度見つめ直すきっかけをくれているのかもしれません。

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