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勉強お役立ちコラム
- 2020.03.18
- 高校入試・受験情報
【香川】令和2年度 高校入試 ~傾向分析と攻略メモ~
3/10(火)、香川県公立高校入試の筆記試験(学力検査)が行われました。受検された皆さん、自己採点や振り返りはしてみましたか? 今回のコラムでは、入試の問題構成や出題傾向をお伝えしていきたいと思います。
■当日の受験状況
香川県教育委員会のHPで公開されている当日の受検者数は、欠席者の総数が183名となり、それに応じて当日の倍率も若干の変化がありました。ただし、この欠席者は初めから織り込み済みの数字なのです。
というのも、公立高校の一般入試より前に、高専の合否が発表されます。高専の合格者は制度上、公立高校を受験することはできません。しかし、高専の合否が出た時点ですでに公立高校には出願しているため、一般入試は欠席ということになってしまうのです。高松西、高松桜井、坂出、高松商業の情報数理科などで欠席者が多くなるのはそういった理由からです。
■2020年度入試の傾向分析
それでは、各教科の内容を項目別に具体的に見ていきたいと思います。教科の順番は当日の実施順です。
<国語>
●問題の構成
全体で大問が4つで、それぞれ小説文、古文、評論文、作文(250字程度)となっています。問題の構成は例年どおりで、ここ数年は出題の順番も含めて大きな変更はありません。漢字の読み書きがそれぞれ4問ずつ、国文法が1問であることも例年と同様です。
●傾向
最後の作文は250字程度で、少なくとも150字以上書かないと採点対象となりませんのでご注意ください。内容に関しては昨年から出題されはじめた形式で、AとB、2つのスローガンのうちどちらを採用するか、両者の違いを明らかにしたうえで、自身の体験も交えながら理由を述べるというものです。ただ単に漫然と書くだけでは得点になりませんので、事前にある程度の「書く練習」が必要です。
●攻略メモ
漢字の読み書きが4問ずつで8点、作文が8点で、合計16点分あります。国語の問題は、採用される文章によって難易度が大きく変動します(特に評論文)。ゆえに、この16点を是が非でも死守しなければなりません。また、高校の古典と違って漢文は出題されず、古文もそれほどの分量ではないので、事前に多くの古文問題に触れて、読み慣れておくと良いでしょう。
<数学>
●問題の構成
大問が全部で5つ、問題1が基本の計算問題、問題2が図形、問題5で図形の証明が2問出題されており、全体の構成は例年と変わりありません。問題1が7問で、合計13点分あるのも同様です。
●傾向
香川県公立入試の数学では伝統的に、問題2(3)と問題5(2)が全国屈指の難易度を誇ります。どちらも図形の問題で、証明・辺の比・三平方の定理の利用などが複合的に問われます。数学がよほど得意でなければ、はじめから手を出さないことをオススメします。
●攻略メモ
先に述べたとおり問題1で13点もあり、全体の25%以上を占めています。これに、問題2(1)の角度を求める問い、問題3の短文問題など、基本を問うものだけで20点ちょっとあります。数学はこれをベースに、早い段階からさまざまな問題に触れて、よりたくさんのパターンを身につけた人ほど高得点を取れるようにできています。
言い換えれば、少なくとも問題1の7問と問題2(1)を合わせた15点分は、どんなことがあっても落としてはなりません。「凡ミス」だからと言って間違いを放置するクセがあるのなら、それは早急に直す必要があります。
<社会>
●問題の傾向
問題1が公民、問題2が歴史、問題3で地理を問う形式は、ここ数年のものと変わりません。配点がそれぞれ公民15点、歴史18点、地理17点となっていて、直近の数年間と同じです。
●傾向
2020年から本格的に始まる教育改革において、高校課程で新しく「公共」という科目ができるせいか、公民分野が難化傾向にあるようです。持続可能な社会・裁判員制度・社会保障など、これからの世代が直面する社会問題にからめた問いが見られます。その他、世界遺産を採り上げた問題や、香川県の属する四国地方についての問題もあり、地元への理解や時事的な事柄などに関心を持つことが求められています。社会科は近年、平均点が一貫して上昇していたので、ここで歯止めをかける意味もあるように見受けられます。
●攻略メモ
時事的な事柄が設問に使われているからと言って、高校の「現代社会」のように時事問題を勉強する必要はそこまでありません(あくまでも常識の範囲として知っておきましょう)。結局のところ問われるのは、教科書で太字になっている基本語句や、グラフ・図から読み取れることに変わりはありません。
社会科を攻略するうえで重要になってくるのは、とにかく設問文が長いということです。今年の入試問題でいえば問題2の(1)bがよい例です。柿本人麻呂の碑文の写真が掲載されているのですが、最終的に問われているのは奈良時代の歌集の名前なのです(答え:万葉集)。このように、問題が長いわりにその解答はいたって基本的であることがよくあるので、これも直前に過去問などをやり込んで、必要な箇所とそうでない部分をすばやく選別できるようになっておきましょう。
<英語>
●問題の構成
問題1がリスニング、問題2が会話文、問題3と4が長文、問題5で英作文という流れは近年のものと同様です。各問の配点も例年と同様です。
●傾向
条件英作文は、2017年度入試から形式が変わっています。日本の伝統文化に関する3つのテーマから1つを選び、それについて記述するというものですが、今年も同様の問いが出題されました。
●攻略メモ
英語はリスニングに10分かかるため、事実上40分で4つの大問をこなさなければなりません。しかもそのうち2題が長文です。それなりの点数を取ろうと思えば、問題2から問題4までを、どれだけスピーディーに解けるかがキーポイントとなります。
難易度が高いように思える英作文ですが、実は教科書の巻末に付録として例文が掲載されています。英語の教科書は隅々まで読み込んでおきましょう。東京オリンピック(2020年)、大阪万博(2025年)と、国際的なイベントが続くこともあり、この傾向はしばらく変化しないと思われます。
<理科>
●問題の構成
いわゆる4つの分野(地学・生物・化学・物理)ごとに大問があり、その中でさらに2~3のジャンルに分かれています。問題の構成そのものは変化していません。
●傾向
かつて理科では、化学・物理を第1分野、地学・生物を第2分野として分けていました。入試では第2分野が比較的、基本の語句を問うものであることが多く、不得意な生徒には第2分野だけ勉強させるというのが定石だったのです。ところが近年、第2分野でも計算で答えを導き出さなければならないものの比重が大きくなり、苦手な生徒はとことん点数がとりづらくなっています。今年の入試問題でも基本語句を問うのはほんの数問で、しかも軒並み配点は1点でした。
●攻略メモ
だからといって基本語句を覚えないわけにはいきません。せっかく取れる点をみすみす落とすのは避けたいところです。理科は過去の出題から、次年度のおおよその出題分野を傾向として予測することが可能です。また、毎年必ず出題される分野もあり(電気や化学反応など)、そういったところだけ集中的に勉強することで、少しでも点を取れるジャンルを増やしておきましょう。
教育委員会は、今年度入試の平均点を137.5点と見込んでいます。近年、入試平均点は上昇の一途をたどっているので、教育委員会としてはこの辺りで一度下げておきたいという思惑もありそうですが、結果がどう出るか、3/19(木)の合格発表が待たれます。