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勉強お役立ちコラム
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- 2019.04.24
- 教室長コラム
超カンタン! 偏差値の計算方法
受験を話題にするとき、避けて通ることができないのが“偏差値”。もはや言葉だけが独り歩きしている感もありますが、その数値がどういう意味を持つものなのかまでは、語られないことが多いようです。受験が本格化する前に、偏差値そのものについて理解しておきましょう。
■偏差値の性質
学力偏差値の性質として、次の3点が挙げられます。
1. 得点が高ければ、それだけ偏差値も高くなる。
2. 得点が平均点と同じなら、偏差値は50になる。
3. 得点が「標準偏差」の分だけ上がると、偏差値は10上がる。
偏差値はおおむね75~25の間に収まります。時として100を超えたり、マイナスになったりする場合もあるのですが、そんなときはデータとしての価値はないと思っても良いでしょう。70~75が「非常に良い」、25~30だと「非常に悪い」と考えられます。全体を見渡したとき、偏差値60以上は全体の15%、70以上となると2%程度となる場合が多くなります。
■偏差値の有用性
偏差値は、「自分の点数が平均点と比べてどれくらい隔たりがあるか」を示す数値です。それによって全体の中での自分の位置を知ることができます。学力や合格可能性の判定に偏差値が多く用いられる理由は、「正規化」という数学的な手順を経ることで、条件の異なるデータ(たとえば別々のテストの結果)が比較しやすくなり、試験ごとに難易度が異なっていても生徒の学力を判定しやすいからです。
■偏差値の計算方法【正式版】
偏差値を正しく計算するのは、実は非常に手間がかかります。下にあるのが公式です。
X = (a-b) ÷ c ×10 + 50
X:偏差値
a:自分の得点
b:平均点
c:標準偏差
式そのものはそれほど難解ではないのですが、問題は「c:標準偏差」です。標準偏差が分からないと偏差値は計算できないのですが、これを出すためには、いくつかの手順を踏む必要があります。その際、数学用語の「偏差」「分散」というものが必要になりますので、以下、それらを順番に解説しましょう。
まず「偏差」を求めます。偏差は次の計算式で求められます。
偏差 = 個々の点数 - 平均点
ただの引き算ですから簡単ですね。次に「分散」を求めます。
分散 = 偏差の二乗平均
二乗平均とは、それぞれの偏差をすべて二乗して、その平均を求めることです。そして次にようやく標準偏差が求められます。
標準偏差 = 分散の正の平方根
平方根とは、√3とか√5とかいうやつですね。その数を二乗すると√が外れるわけです。ただ、3の平方根は±√3であるというように、平方根を求めると必ず+と-両方が出てきます。標準偏差として使うのは正の数だけです。
実は、上の説明ではさらっと流しましたが、標準偏差を求めるには「個々の点数」がまず必要なのです。つまり、そのテストを受けた全員の点数がわからなければ、そもそも正確な偏差値は求められないということになります。
■偏差値の計算方法【簡易版】
「だったら意味ないじゃん!」と思ってしまった方のために、もっと簡単な方法をお教えしましょう。このやり方に必要なのは、「自分の得点」と「平均点」だけです。それが下の公式です。
偏差値 ≒ (自分の得点 - 平均点) ÷ 2 + 50
「あるならさっさと教えろよ!」という声が聞こえてきそうですが、よく見てください。「=」ではなく「≒」になっています。これは「ニアリーイコール」といって、「ほぼ等しい」を表す記号なので、正確な値ではないということです。実際に数値を入れて上の正式版と比較すると、だいたい±2くらいの誤差が出ます。「なんとなく上位にいそう」とか「ちょっと今回は悪かったかな」という程度のものですので、偏差値1、2の差が重要な局面での使用はオススメできません。
そもそも偏差値は、集まってきたデータが「正規分布」といって、平均の周辺にピークが来る、キレイな山のようになっていることが前提です。ですから、母数に充分な数がなければ(テストを受けた人の数があまりにも少なければ)、偏差値それ自体に意味がないという場合もあり得るのです。
はじめの「偏差値の性質」で述べたように、自力で偏差値を上げるためには自分の得点を上げていくしかありません。そのためには日々の学習の積み重ねが不可欠です。コツコツ頑張れば、自ずと成果は表れてくることでしょう。