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勉強お役立ちコラム
- 2019.01.16
- 教室長コラム
【香川】受験生 冬の勉強方法 〜理科編〜
第1回の「社会科編」に続き、シリーズ第2回である今回は理科を採り上げます。社会科と同じく、暗記教科と言われることの多い理科。はたして本当にそうなのか。近年の傾向も含め、直前期の学習方法についてお話ししましょう。
■近年の傾向
まずは下の表をご覧ください。
ご覧のとおり、理科の平均点は平成29年を除いて一貫して低下しています。5教科で比較すると数学のほうが低くなるのが毎年のパターンだったのですが、平成30年にはついに理科のほうが下回りました。同列に語られることの多い社会科と比べて、どうして理科の点数だけがこれほどにも低下するのか。そのあたりについて考えてみましょう。
■問題文がやたらと長い
香川県公立入試の理科は、とにかく問題文が長いです。年々長くなりつつあります。問題冊子1ページのなかで3分の2くらいが設問文と図表です。実際は文章量が多いだけで、基本的なことしか聞かれていないのですが、多くの中学生は問題文の長さを一目見ただけで解くのをあきらめてしまっているのが現状です。また、たとえ問題文を読んだとしても、そこに書かれていることが理解できない、と嘆く中学生もいます。それについても、「問題を読んでも理解できない」のではなく、実は「問題を読もうとしていない」だけであることが往々にしてあります。受験生のみなさんには、問題をただ読むだけではなく、「ちゃんと読む」ことが求められます。
「まずはちゃんと問題文を読む」というのは、理科に限らず、どの教科にも言えることです。ただ、この「長い問題文を嫌う」傾向は、ここ最近顕著になってきていると思われます。例えば数学で、短文問題とか一行問題と呼ばれる類の設問があります。読んで字のごとく、問題文の長さは1行半くらいから長くても3行までです。中学生の中には、それでさえも「長い」と言って読むことを放棄する生徒もいるのです。「子どもの読解力が低下している!」というニュースを、現実のものとして認識する瞬間です。まずはきちんと問題に向き合う。それが得点向上の第一歩です。
■「2分野だけ勉強する」の落とし穴
中学理科は物理・化学・生物・地学の系列に分けられ、かつては物理・化学を「第1分野」、生物・地学を「第2分野」と言いました。(注) ありていに言えば、第2分野は暗記が多く、第1分野は計算が多いというふうに捉えられています。しかし、ものごとはそんなに単純な話ではなく、第2分野にだって計算問題は出されます。平均点低下の理由の一つがこれです。第1分野は手も足も出ないからと、第2分野の暗記項目だけを徹底して勉強した場合、計算問題の割合が多くなった途端に対応できなくなります。また、たとえ全分野を偏りなく勉強していても、計算問題が出されると正答できる生徒数は激減し、それに伴って平均点も低下します。具体的に言うと以下の4つです。
・生物系・遺伝に関する問題
・地学系・地震の速度計算
・地学系・飽和水蒸気量に関する問題
・地学系・天体の年周運動、日周運動に関する問題
特に、飽和水蒸気量の問題で小数点や四捨五入がからんでくると、もう思考停止です。一問一答などを利用して、まずは基礎知識を固めるのが学習の基本になりますが、それだけで終わってしまうと計算問題で痛い目を見ることとなり、想定していた点数が取れない、という事態に陥る可能性が高いです。では対処法はないのか。もちろんあります。
計算問題が出題される単元では、必ず基本となる公式があり、多くの問題は公式に代入するだけで解くことができます。オームの法則(電気)や湿度の計算(天候)、地震の速度(地学)、質量パーセント濃度(水溶液)が代表的です。中でも地震の速度計算や水溶液の濃度は、小学校算数の速さと割合(小5・小6内容)が理解できてさえいれば、何も恐れることはありません。そこからつまずいているんです! という場合、残された時間を鑑みるとコメントのしようもないのですが・・・。
■まとめ
長々と書いてきましたが、最後に大事なことだけピンポイントでまとめておきます。
1. 語句や実験の基本知識をつける
2. 計算問題に必要な公式は丸ごと覚えておく
3. 問題文は途中であきらめずに最後まで「ちゃんと」読む
4. 小数点や四捨五入、パーセントの間違いがないか確認する
残された時間は2か月を切りました。最後まであきらめなければ、きっと道は開けます。
(注)「え? 今はないの?」と思った保護者の方も多いでしょう。分野の隔てがなくなり、教科書が1冊に統一されたのが平成24年のことです。調べてみると「1分野・2分野」に分類し始めたのは昭和33年のことで、40年以上もの長きにわたって使われていた分類だそうです。現在の大半の大人が習っている分類なので、このコラムでも便宜上、使用することとしました。