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勉強お役立ちコラム
- 2018.12.19
- 高校入試・受験情報
【香川】県公立入試の基礎知識<上級編>「10%枠」とは
いよいよ中3生は志望校を確定させる時期が来ました。正式に願書を書くのは年明けの1月下旬です。今回のコラムは、公立入試の基礎知識【上級編】として、「10%枠」についてお話しします。かなり高度なことにも言及しますので、しっかりお読みください。志望校を決める際の一助になれば幸いです。
■「10%枠」(注)とは?
香川県の公立高校入試において、願書を提出できる高校は1校だけ。ただし、その高校に「学科」が2つ以上存在する場合、第2志望まで願書に書くことができます。
例1
ごく簡単に説明すると、もし第1志望がダメだったとしても、当日の点数如何によって定員の10%は第2志望に滑り込める可能性がある、これが10%枠というものです。合格者の判定方法について、以下に図式化してお見せします。
図1
①まず定員の90%を第1志望者から点数順に決定する。
②残りの10%は、①の90%に入れなかった第1志望者と第2志望者をまとめて点数順に決定する。
では、実際の高校名を挙げてご説明しましょう。
高松南高校 普通科(128名)・環境科学科(24名) ※自己推薦を除いた定員です。
中3生A君は第1志望を普通科、第2志望を環境科学科で願書を提出しました。入試当日の順位が130番で、残念ながら普通科の定員からあふれてしまいました。その場合、「環境科学科を第1志望としている生徒」よりもA君の点数が上回っていれば、A君は高松南高校・環境科学科に合格することができます。
一見ある種の救済措置のように見えますし、実際そういう意味合いが大きいです。ただ、複数学科が存在する場合、往々にして定員が少数であることが多いので、その枠は残念ながら多くありません。上記のとおり、環境科学科の定員は24名なので、その10%ということは2名しか枠がありません。一方、はじめから環境科学科を志望している生徒さんは、ボーダーラインぎりぎりだと、普通科から流れ込んでくる生徒さんに枠を奪われる恐れがあります。結果として、第1志望に合格するために、1点でも多く取れるように努力しなければならないという事実は変わりません。
■大学科と小学科
10%枠について言及する際、もう一つ念頭に置いておかなければならないのが、「大学科」と「小学科」 です。
例2
これも実施細目に記載されています(P77)。願書を書く際に必要な情報なので、必ず確認しておきましょう。大学科内に複数の学科が存在する場合(高松工芸高校・石田高校ほか)、判定方法はもう少し複雑になります。
①定員の50%を第1志望者から点数順に決定。
②定員の40%は、「同じ大学科の」第2志望者と①に含まれなかった生徒とをまとめて点数順に決定。
③残り10%は、①②のどちらにも含まれなかった生徒と、他の大学科の第2志望者をまとめて点数順に決定。
※③の合格者の決定方法は通常の10%枠と同様の考え方です。
例3
以上のように、1つの大学科内に小学科が2つ以上設置されている場合、確実にその学科に合格するためには、上位50%の中にに入らなければなりません。どうしてもその学科で勉強したいことがあるのなら、ボーダーラインよりもさらに上を目指す必要があります。
いかがでしたか。今回、上級編として10%枠についてご説明しましたが、受験生にとって大切なことは制度を理解することではありません。それはアドバイスをする周囲の大人の役目です。
では受験生に必要なことは何か。言うまでもなく、1点でも多く点が取れるように、最後まであきらめずにやり続けることです。受験勉強に近道はありません。でもゴールはあります。そこに向かって一歩一歩、着実に進んでいくしかないのです。
(注)平成30年度入試まで、この比率は5%でした。ゆえに一般的には「5%枠」と言うほうが馴染みがあるのですが、平成31年度入試実施細目からこの枠が10%に増加しました。