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勉強お役立ちコラム

2018.06.13

県民性が影響する香川の教育事情

高校受験に対する香川県の風土的特徴として、「高校は公立でなければ」という意識があります。どんなに偏差値が低かろうと、私立に進むよりも公立に合格することをよしとする考えは、ほぼすべての香川県民が無意識的に抱いているものです。

 

何を隠そう筆者も生え抜きの讃岐人であるので、他県の情報に触れたり県外出身者に指摘されるまで、「高校受験とは公立高校合格を目指すもの」と無条件に思っていました。年齢層が上がれば上がるほど顕著な傾向だと思います。推薦や奨学生のように、どれほど先方から望まれて進学したとしても、履歴書を見ただけでそこまで読み取ることはできません。ゆえに、周囲の大人の中には「ああ、公立には受からなかったんですね。残念でしたね」という評価を下す人もいます。

 

香川県では都心部と比べて、私立高校の学力面での地位がまだまだ低く、どうしても公立不合格者の受け皿という印象をもたれてしまっています。私立に進む生徒さんには、たとえ推薦で選ばれて、断固たる決意をもって進学するのだとしても、県内にいる限りは、残念ながらそういった評価が付きまとうということをご留意いただきたいと思います。

 

それにしても、なぜこれほどまで公立志向が強いのでしょうか。最大の要因は、お金ではないかと思います。よく言われる香川県民の特徴として、お金に非常にシビアなところがあります。いつでしたか、世界で初めて重力波が観測されるというノーベル賞級の出来事があった時でも、地元紙の四国新聞はかけうどんの平均価格が値上がりしているという記事を一面トップに掲載している、と某テレビ番組でネタにされていました。統計を取ると貯蓄率が全国トップ3に入ることからも、金銭に対する容赦のなさがうかがえます。

 

もちろん公立高校でも、制服・シューズ・教科書等々まとまったお金が必要になります。(おおよその目安についてはこちらのコラムをご参照下さい。→「【福島】県立高校でかかるお金は実際いくら?」) 塾や予備校に通おうものなら、トータルで私立高校と大差ないのではないかとさえ思えてきます。それでも、自転車や電車で通える範囲に公立高校があるのに、わざわざ私立に通う必要はない、と考えるのです。ここまで来ると、もはや印象とか思い込みの問題のような気もしてきますね。 そういった現状は私立高校側ももちろん承知しており、進学実績を作ろうと、近年の特進クラスでは非常に手厚い指導が行われるようになっています。

 

また、2020年に大学入試制度が大きく転換することを踏まえ、大学進学までを考慮するなら、これまでのように無条件で公立高校を目指すことに、果たしてどれほどの意味があるのだろうか、という議論にまで発展します。「みんながそうしているから」と、安易に決めてよいことではありません。 これから先の将来を見据えて、親子でじっくりとコミュニケーションをとりましょう。