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勉強お役立ちコラム

2022.05.21

宮城県立高校入試の傾向とは?【2021年度】

 

宮城県の県立高校入試は以下の内容で実施されます。

◆選抜方法 ⇒ 共通選抜 / 特色選抜

 ◇共通選抜

  調査書+学力検査(面接がある高校もあります)

 ◇特色選抜

  調査書+学力検査+面接・実技・作文等

 

◆学力検査 ⇒ 1教科100点満点の合計500点満点

 

◆調査書(内申点)

 ◇共通選抜

  3学年×5教科×5段階評価+3学年×技能4教科×5段階評価×2=195点満点

 ◇特色選抜

  主要5教科×(0.25~2.0倍)+技能4教科×(0.5~4.0倍)を各学年と各教科の5段階評価にかける

  ※かける倍率は各高校や学科で定めています。

 

◆学力と調査書の比重 ⇒ 3:7、4:6、5:5、6:4、7:3と各高校側で決めています。

 


 

ここからは、昨年度や過去の出題内容をもとに入試のプロが教科ごとに傾向を紹介します。

 

 

国語の傾向

 

大問構成は「漢字・知識・話し合い」「文学的文章」「説明的文章」「古典」「作文」の5つです。

 

傾向として問題量が多く、記述問題も複数ありますので、何よりスピードが求められます。「文学的文章」「説明的文章」それぞれ50字程度の記述問題がありますが、難易度はそれほど高くありません。「文学的文章」は人物の心情を問われており、「説明的文章」は筆者の主張を答えさせるオーソドックスな質問となっております。心情や主張などを正確に読み取り、文字に起こす訓練を繰り返し行いましょう。

 

「古典」はここ3年は古文が出題されていましたが、今年は漢文が出題されました。漢文と一緒に書き下し文(古文)も記載してありますので、漢文の基本知識をしっかりおさえ、古文の読解がしっかりできればそれほど苦戦はしないでしょう。

 

「作文」は文字数指定160字~200字以内の基本的な課題作文ですが、自分の考えを書けばそれが正解です。よって文章問題同様、日頃から文字を起こす訓練を行い、確実に点数を取りたいですね。しっかり対策をして入試本番に望みましょう!

 

 

数学の傾向

 

問題構成は例年通り大問4題で小問数も前年から変更ありませんでした。

 

大問1は各学年から計算問題、関数、図形の独立した小問が8題出題されています。内容は基礎的なレベルばかりなので、確実に得点しましょう。

 

大問2は小問2つで1題となるよう4題出題されています。今年は二次関数、空間図形・相似、方程式の利用、データの活用の問題の4題でした。例年標準レベルの問題が多く出題されていますが、配点が高く設定されているので丁寧に確実に解くことができるようにしましょう。

 

大問3は毎年、主に1次関数の利用が出題されています。小問構成は年により様々で、今年は(1)に確率の問題、(2)に1次関数の利用が出題されました。どちらも問題文が長く、また難度も高めの問題となっています。1次関数についてはここ数年他単元とのコラボ問題が続いているので、対策が必要になります。

 

大問4は平面図形で、今年は円の性質を利用した問題が出題されています。比較的簡単な問題から、証明や相似の応用といった難しい問題まで出題されているので、時間内にとるべき問題を見極める力も必要になります。

 

 

英語の傾向

 

宮城県の高校入試・英語は大問が5つで構成されます。

 

大問1はリスニングテスト。小問が8問で配点は全体の1/4を占めます。記号選択式の問題が全国的に多い中で、宮城県は英文を聞いてからの自由英作文もあり、難易度は高めです。

 

大問2は文法、語彙を試す問題です。穴埋め形式のものと語順整序形式のものとが出題されています。しかし教科書内での表現を理解できていれば問題なく対応できるレベルです。

 

大問3は長文読解。どちらかというと短めの文章ではあるのですが、指示代名詞の対象を読み取る問題や文法力を試される問題、条件英作文も盛り込まれており難易度は高いです。

 

大問4も長文読解ですが、こちらは英問英答や、選択形式で正しい英文を答える問題もあります。その分読まなければならない英文の量が大問3よりも増えているため、読んで訳すスピード、正確性がシビアに要求されます。

 

大問5では自由英作文が課せられます。10行程度の二人の対話文を読み、その内容に合うように英文を作らなければならないため、やはりここでも読んで訳す力が必要です。また、3文以上の英文を書くように要求されるため、ミスをしないように簡単な英文で表現する力をつけておく必要があります。

 

最後に、全体として宮城県の英語は難易度が高いです。大問2以外はただ知識の有無を問うものが少なく、それをどう使うかまで試される印象です。そして読まなければいけない文章量も多いです。よって教科書やワークを使って知識を固めた後は、英文をたくさん読んで訳すこと、過去問等を使って出題形式に慣れておくことが必須です。

 

 

理科の傾向

 

令和4年度も例年通り大問5題構成で、小問集合1題と生物・地学・物理・化学の分野から各1題の出題でした。小問数は32でした。

 

大問2以降の出題分野の順番は年によって変動し、令和3年度は生物→化学→物理→地学でしたが、今年度は生物→地学→物理→化学の順に出題されました。普段の模試やテストでは大問番号にこだわらず、入れ替えて解く練習をしておくとよいでしょう。

 

大問1の小問集合は3つに分かれており、1は生物分野から3問出題されました。2は地学分野の自然と人間の関わりについて、生徒と先生の対話文(イラスト付き)の他にハザードマップが載っており、自然災害についてはハザードマップを読み取って答える問題でした。3は物理分野と化学分野が融合された形式で、新しく教科書に登場したダニエル電池が取り上げられました。

 

宮城県の理科は大半が基本的な内容ですが、科学的思考力を必要とする問題も見られます。大問2はオオカナダモを用いた実験を仮説を立ててから行い、結果をもとに植物のはたらきを答えるものでした。知識ではなく実験結果から判断することが求められました。大問4ではばねと台車にはたらく力の実験結果から、ばねAとばねBののびの規則性を見出して解答する問題がありました。

 

分野をまたいで出題される傾向があり、大問2では生物分野でありながら二酸化炭素の性質を答える化学分野が1問含まれていました。日頃から数多くの問題に触れておくことが大切です。

 

 

社会の傾向

 

試験時間は50分、満点は100点です。大問は地理・テーマ史・公民・融合問題など6問、小問は30問でした。

 

【問題形式】

記号選択問題20問、語句記述問題5問、説明記述問題5問

 

【基準配点】

5点問題が5問(全て説明記述問題)、残り25問は全て3点問題

 

■大問別分析

≪第1問 / 歴史・公民≫ 問題数5問、配点15点

民主政治の成り立ちに関して、人権の歴史や公民から基本的知識の問題が出題されました。選択肢で迷わないよう、正確な知識を身につけておきましょう。

 

≪第2問 / 日本地理≫ 問題数5問(うち説明記述1問)、配点17点

九州地方からの出題でした。筑紫平野やシラス台地など、場所や内容を元に解く問題でした。また、鹿児島県の農産物の産出額割合を資料を元に選択する問題や、3つの資料を参考に「ある原因に対してどのような政策をとったのか」を説明させる問題も出題されました。

 

≪第3問 / 古代~近世≫ 問題数5問(うち説明記述1問)、配点17点

鎌倉時代の農業の特徴や中世の戦いの並び替え問題などが出題されました。江戸時代の文化名や代表的な作品を問うものもありました。また、2つの資料を見て、「生産地から江戸までの輸送方法の移り変わり」をまとめる記述問題が出題されました。

 

≪第4問 / 公民≫ 問題数5問(うち説明記述1問)、配点17点

情報技術の発展に関するものからの出題でした。知識問題は比較的基本の内容でした。3つの資料を見て「オンライン診療を導入することでの高齢者の患者が得る利点と導入にあたっての課題」をまとめる記述問題が出題されました。

 

≪第5問 / 世界地理≫ 問題数5問(うち説明記述1問)、配点17点

歴史を含むブラジルを中心とした南アメリカ州からの出題でした。2つの資料を見て3つの都市の標高や雨温図の正しい組み合わせを選ぶ問題や、「ブラジルの食文化形成への歴史的背景」を資料を見て答える問題など、資料を読み解く問題が多く見られました。

 

≪第6問 / 公民≫ 問題数5問(うち説明記述1問)、配点17点

歴史を含む国際問題についての出題でした。WHOなどの基本的知識を問うものから、資料を見て内容に合っているものを選択する問題などが出されました。また、2つの資料を見て「ある事業によりどのような効果が得られるか」をまとめる記述問題も出題されました。

 

全5問の記述説明問題は、単純な暗記だけでは解けない問題がほとんどです。普段から資料の読み取りや自分で説明する練習をしておきましょう。

 

いかがでしたでしょうか? 2023年3月の入試に向けて、早めの受験対策に取り組みましょう!