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2020.02.07

施行直前!「小学校プログラミング教育」をわかりやすく

2020年4月から、新学習指導要領が全面的に実施されます。戦後最大の教育改革と言われる今回の改定において、目玉の一つされているのが「プログラミング教育」です。

 

筆者もそうですが、言葉だけは知っていても、それがどのようなものなのか、具体的にはよくわかっていません。もれ聞こえてくる話では、春から実際に動き出すはずの学校現場ですら、よくわからないまま進んでいる様子。今回は、今さら人に聞けなくなった次の疑問を、こっそり学んでいきましょう。

 

「プログラミング教育とは、そもそも何か」

 

■プログラミング教育=数学の発展的学習
“プログラミング”と聞いてわれわれが想像するのは、意味不明な数字やアルファベットがずらっと並んでいる、こんな画面でしょうか。

 

 

これはプログラミング言語といって、コンピューターにどう動けばよいかを命令するための専用の特殊な言葉です。コードともいい、プログラムを書くことをコーディングといいます。「Java」とか「C言語」とか、名前だけなら耳にしたこともあるのではないでしょうか。

 

注意が必要ですが、学校で行われる「プログラミング教育」は、小学生にコーディングを教えることではありません。プログラミング教育のねらいは、「プログラミング的思考」を育成することで、課題発見や問題解決の能力、論理的思考力を身につけることにあります。ゆえに、プログラミング教育とは、ある意味で数学の発展的学習であると言えます。

 

■プログラミング的思考
論理的思考と口で言うのは簡単ですが、「私ってば感覚人間だから、そんなこと言われてもわからないわ」と思われる方も多々あるでしょう。筆者も同感です。でも、人は誰しも、ものを考えるときに自然と論理的思考をしているものなのです。

 

 1.(大前提)財布の中に500円あります。
 2.(小前提)家まで帰るのに電車賃が300円必要です。
 3.(結 論)だから、いま目の前にある300円のショートケーキは買えません。

 

これも論理的な考え方の一つ、三段論法です。本能のままケーキを買わなくてよかったですね。人は少なくとも理性的な判断をするために論理的思考を活用しているのです。そして、数学でいう論理的思考とは、上の例のようなことをもっと洗練し、つきつめて数式化(記号化)したものです。

 

『小学校プログラミング教育の手引き』によれば、プログラミング的思考とは以下のように説明されています。

 

「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」

 

ひと言で言い換えるなら「ゴールから逆算する力」ということでしょうか。そして、組み合わせたプログラムが正常に作動するかどうかを試し、失敗したならどこで間違えたのか、何を間違えたのかを見つけ出し、修正してもう一度試すという、トライアル&エラーを繰り返す姿勢を育むことも期待されます。

 

■「3時間目はプログラミング」ではない
注意すべき点としてもうひとつ、「プログラミング」という教科が新しくできるわけではありません。先ほど引用した『手引き』をもういちど読んでみると、実際の運用方法の例が示されています。すべてを採り上げることはできませんが、イメージしやすいものをいくつかご紹介しましょう。

 

活用例その①

算数:プログラミングを活用して、正多角形を作図する。

コンピューターを自分の意図したとおりに動かすためには、どのような指示が必要かを考えます。そのためには、あらかじめ「正多角形とはどのような図形か」を理解しておく必要があり、プログラミングをとおして理解をより深めることがねらいです。

 

図1 正三角形を正しく描くためのプログラム例

 

活用例その② 

理科:電気の性質や働きを利用した道具について、プログラミングをとおして学習する。

夜間のセンサー付き照明を、どのような条件で点灯させれば電気の消費に無駄がないかを考えます。プログラムを組むのと同時に実際に専用のキットなどを使って機械を製作するといった実習も考えられます。

 

図2 通電を制御するプログラム例

 

活用例その③ 

音楽:プログラミングで、さまざまなリズム・パターンを組み合わせ、音楽をつくる。

創作・作曲用のソフト等を用いて、教師があらかじめ用意しておいたリズムを自分で表現してみたり、さらにそれらを組み合わせて自分の作りたい音楽を作ってみたりするのがねらいです。

 

つまり、「プログラミング」という教科が新しくできるのではなく、今までの教科の中に、プログラミング教材を使って課題をこなす場面が部分的に導入されるということです。

 

上記のような、視覚的にとらえることのできるものをビジュアル型プログラミング言語といい、最近巷に増えてきた、習い事としてのプログラミング教室で教材として使われているアプリやソフトは、だいたいがこのような感じになっていて、ゲーム感覚で取り組むことができます。時代は変わりましたね。

 

■まとめ
2020年度から新しく始まるプログラミング教育。その要点を以下まとめます。

 

①プログラミング教育では、実際のプログラミング言語を使いこなすことが目的ではない。
②プログラミング教育の目的は「プログラミング的思考」を身につけることにある。
③「プログラミング」という新しい教科が追加されるわけではない。

 

PC、スマホ、インターネットそしてAI。そういったものがこれほどまで日常生活の一部に組み込まれている現在、これからの世の中を生きていく子どもたちにとって、情報通信技術(ICT)を正しく使いこなせるようになることは急務と言えます。

 

私たちは、自動車を運転することはできても、エンジンの構造を理解しているわけではありません。プログラミング教育にも同じようなことが言えて、自分たちの身近にあるコンピューターがどのような仕組みで動いているのか、その限界はどこにあるのか、それらを理解したうえで、上手に活用する力が、未来を担う子どもたちに求められているのです。

 

[参考] 文部科学省『小学校プログラミング教育の手引き』