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勉強お役立ちコラム
- 2019.10.16
- 教室長コラム
これからの学校教育が変わるって本当?
みなさま、「未来の教室」という言葉を耳にしたことはありますか?
「未来の教室」とは、経済産業省が中心となって実現を目指す、新しい時代の新しい学びの社会システムです。
2019年6月に第一次提言を踏まえて、「未来の教室」とEdTech研究会(※注1)は3つの柱の実現に向けた9つの課題とアクションをまとめた第二次提言を発表しました。
これからの日本の学校教育はどのように変化していくのか? 今回はその内容の一部を分かりやすくお伝えしていきたいと思います。
【EdTech:エドテック=Education(教育)×Technology(技術)を組み合わせた造語】
とっても簡単に言うと、現行の先生による一斉指導は徐々に減少し、学校教育そのものがPCやタブレットを使用したデジタルコンテンツによる個別学習へと移行していきます。
では、3つの柱について紐解いていきましょう。
◆現在の教育の課題
AIの台頭に伴い、知識が豊富なだけでは通用しないのがこれからの時代。人間は知識量でAIに勝てないのは明白です。これからの時代は、自ら問題を発見し、AIを活用しながらいかに問題を解決していくか、そんな力が求められる社会です。しかし、正解のない問題を解決していくための力を身につける「STEM(S:科学/T:技術/E:工学/M:数学)教育」と、より幸せな人間社会を創るための論理的な考え方を見につけるデザイン思考や幅広い教養(Arts)を組み込んだ「STEAM」化を行うための時間を確保できていない事が課題であるとしています。
要するに、今の学校現場には時間がない。なぜなら、授業(知識のインプット)で手いっぱいだから。一人ひとりのワクワク感や知的好奇心を呼び覚ますための学習、問題解決をするためのトレーニングに、時間が費やせないという事です。
そうした知識を生かすための活動時間をつくるために、現在学校で行われている知識を覚える時間(先生による一斉授業)を新しいテクノロジー(EdTech)に置き換えることで、時間を大幅に短縮することができるとしています。
すでに実証実験が行われ、東京の千代田区立麹町中学校では、AI型タブレット教材「Qubena」を導入し、1年160時間かけてやらなければならない数学のカリキュラムを32時間で終える学習効率をたたき出したとか。
知識を効率的にインプットし、そこで新たに生まれた時間をSTEAM教育に生かす学習ができるとしています。
子供たちは一人ひとり違った得意分野を持っています。さらに、好きなことも将来の夢もそれぞれ違います。
しかし、現在多くの学校ではみんな一斉授業が行われています。しかも、学習の到達度が異なっているのに授業時間数は決められていたため、「できない子は授業に置いていかれ、できる子は退屈する」といった状況がありました。
これを解消するためには、全員一律の一斉指導では限界があり、もっと一人ひとりのレベルや理解度に合わせて、もっと個別で最適な指導が必要であると提言されています。基礎的な内容は新しいテクノロジー(EdTech)を使って子どもたちが自学自習し、わからないところはみんなで話し合ったり、先生へ質問したりすることによって解消することに、受け身ではない能動的な学びの自立化を目指します。
EdTechを通じた個別最適化指導が実現すれば、得意な分野はさらに伸ばし、苦手な分野は理解度に合わせるといった、学年を越えた学習が可能になります。
【3】新しい学習基盤づくり
◆EdTechを活用するための学校のICTインフラ整備
今までお話ししてきた「学びのSTEAM化」や「学びの自立化・個別最適化」を進めるためには、新しい学習を行うための基盤が必要になります。
その一つが「1人1台パソコン(タブレット)」です。
「未来の教室」では、一人ひとりが自分に合った講義動画を個別に視聴したり、AIドリルを活用して一人ひとりに合った難易度の問題を解くことに集中することができます。
そのためには、子供たちが1人1台のPC(タブレット)を「新しい文房具」として常に使用することが必要です。
また、大量のデータのやり取りができるようにするためLTEや5Gなどの高速大容量通信の環境を整えるべきだとしています。
実際に福島県でも徐々にPCやipadを導入する小中学校が増えてきています。
「未来の教室」は、子供たちがそれぞれの良さを生かして自ら学んでいく教室です。
「いやいや、とてもじゃないけれど無理だよ」と思われる方もいるかもしれませんが、「未来の教室」はすでに様々な学校や塾、企業で取り組みが始まっています。
2020年度には多くの携帯会社が5Gのサービスを開始します。2023年には現在の4Gと利用者が逆転するほど普及するともいわれています。
さらに、経済産業省が行っている「未来の教室」とEdTech研究会は第二次提言の最後に「現行法令の合理的解釈の範囲内で実現可能なことは、明日からでも始める」としています。
「未来の教室」実現はそう遠くない話なのです。2030年までの10年間は教育が大きく変わると言われていますので注目ですね。
今までと違うことはわからないので不安に感じることも多いですが、同時に新しいことに対してワクワクすることも多いです。
「未来を見通すことが困難な時代を生きるには、自分自身が未来を創りだす当事者になればよい」
これも第二次提言に書かれていた言葉です。
私たちも子供たちと一緒に未来を創りだす当事者になれれば、とっても素敵な未来が待っているのではないでしょうか。