中学生の保護者さまや受験生のみなさん、「広島県の高校入試制度が変わってから『特色枠』という言葉をよく聞くけれど、いまいちピンとこない……」と感じていませんか?
現在の広島県公立高校入試(一次選抜)では、すべての受検生が同じ学力検査を受けつつ、「特色枠」と「一般枠」という2つの判定基準で合否が決まる仕組みになっています。
今回は公立高校入試における「特色枠」の基本的な仕組みと、五日市エリアから通学圏内にある主要4校(五日市・美鈴が丘・廿日市・広島井口)の特色枠における配点ルールや、それを活かした受験戦略について解説していきます。
1そもそも「特色枠」ってどんな制度?
広島県の公立高校入試(一次選抜)では、1回の出願で「特色枠」と「一般枠」の両方に一括出願した扱いになります。
合否判定は以下の手順で行われます。
1. まず「特色枠」で合格者を決定(募集定員の50%以内)
2. 特色枠で届かなかった受検生を含めて、残りの枠を「一般枠」で決定
つまり、受検生にとっては「同じ1回の受検で、実質2回の合格チャンスがある」仕組みです。
一般枠と特色枠の違い:「配点比重と傾斜配点」
全校一律の基準で判定される一般枠(学力検査:調査書:自己表現=6:2:2)に対し、特色枠は学力検査・調査書・自己表現の割合である「配点比重」や特定の教科の点数を重視する「傾斜配点」を、各高校が「どんな生徒に来てほしいか」に合わせて自由に設定できるのが最大の特徴です。
2五日市周辺の公立高校における「特色枠」の具体例
五日市エリア周辺にある主要4校の特色枠を比較してみると、それぞれの学校の配点ルールや特色がハッキリと見えてきます。
① 広島県立五日市高等学校(普通科)
・特色枠の割合:定員の 50%
・配点比重(学力:調査書:自己表現):4:4:2
五日市高校の特色枠は、一般枠(6:2:2)に比べて調査書(内申点)の比重を40%まで高めているのが特徴です。
注目すべきは配点ルールで、学力検査では「英語・数学・国語」の3教科が2倍になる傾斜配点が採用(一般・特色共通)されています。
さらに特色枠の調査書評価では、副教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭の実技4教科)の内申点が2倍になる傾斜配点が設定されています。
② 広島市立美鈴が丘高等学校(グローカル探究科)
・特色枠の割合:定員の 40%
・配点比重(学力:調査書:自己表現):3:3:4
地域と世界を見据えた探究学習に力を入れる広島市立美鈴が丘高校の「グローカル探究科」では、特色枠の「自己表現」の比重が40%と非常に高い点が大きな特徴です。
さらに学力検査においては得意教科の超・重視ルールが採用されており、当日の学力検査5教科のうち最も高い点数だった1教科の点数が「4倍」に換算されます。
自身の探究心やアピールポイントを言葉で伝える「自己表現」を得意とし、なおかつ1つでも強みとなる教科を持つ受検生にとって大きな追い風となる仕組みです。
③ 広島県立廿日市高等学校(普通科)
・特色枠の割合:定員の 50%
・配点比重(学力:調査書:自己表現):4:4:2
西部の人気進学校である廿日市高校は、特色枠の割合を上限の50%と大きく設定しています。
特色枠における調査書(内申点)の評価方法では、「国語・社会・数学・理科・英語」の主要5教科の内申点が「5倍」に換算されます。
中学3年間の定期テストや日頃の学習で主要5教科の成績(評定)を高水準に維持してきた受検生を非常に高く評価するルールになっています。
④ 広島市立広島井口高等学校(普通科)
・特色枠の割合:定員の 50%
・配点比重(学力:調査書:自己表現):4:4:2
井口高校も特色枠の割合を定員の50%と高く設定しています。
配点比重は4:4:2(学力40%・調査書40%・自己表現20%)となっており、傾斜もないスタンダードな形となっております。
当日の学力テストの得点力と、中学時代に積み上げた内申点のバランスがどちらも大切になる選抜です。
3「行きたい高校」を叶えるための特色枠・受験戦略
高校選びで最も大切なのは、「受かりやすそうな配点ルールの学校を選ぶ」ことではなく、「自分が本当に行きたい高校、ワクワクする環境を選ぶこと」です。
自分の意志で「この高校に通いたい!」という目標をまず設定し、その第一志望校の特色枠のルールをしっかり分析して逆算対策を行うことこそが、合格をつかみ取るための王道であり最短ルートになります。
高校選びについてはこちらで今回の4校を記事にしていますので気になる方はぜひご覧いただければと思います。
また、各校の特色枠ルールを見ても分かる通り、高校入試においては前提として「9教科すべてを総合的にバランスよく学習していくこと」が不可欠です。
主要5教科(国・社・数・理・英)のテスト対策だけでなく、副教科(音・美・保体・技家)の授業態度や実技、提出物にも日頃から全力で取り組んでおくことが、特色枠・一般枠どちらにおいても強力なベースとなります。
五日市高校に行きたいなら…
・副教科(実技4教科)の内申点が2倍になるため、日頃から提出物や実技にも手を抜かず全9教科をバランスよく頑張ること。
・傾斜配点のある「英・数・国」で本番しっかり得点できるよう、主要3教科の応用力を伸ばすこと。
広島市立美鈴が丘高校に行きたいなら…
・配点比重40%を占める「自己表現」対策にじっくり取り組み、自分の強みや意欲を自分の言葉で表現できるようにすること。
・1教科でも「誰にも負けない得意科目」作り、4倍換算の大きな武器にすること。
廿日市高校に行きたいなら…
・主要5教科の内申点が5倍換算されるため、5教科の定期テスト対策と授業態度を徹底し、内申点(評定)を一つでも高くキープすること。
広島井口高校に行きたいなら…
・9教科の内申点を高く保ちつつ、当日の学力検査で5教科まんべんなく高得点を狙える本番の即戦力を磨くこと。
4おわりに
広島県の「特色枠」は、自分が行きたい高校をつかみ取るための「力強い武器」です。
学校ごとに特色枠の割合(40〜50%)や配点比重、傾斜配点のルールは大きく異なります。
日頃から全9教科の学習を大切に積み重ねたうえで、「この高校で過ごしたい!」という自分の理想に向かって、選抜ルールを最大限に味方につけた受験対策を進めていきましょう!
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