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高校受験・入試コラム

2020.01.08|編集部コラムお子様に教えているその知識、最新ですか? ~時代とともに数値は変わる~

 

小中学生の子を持つ保護者の皆様の中には、ご自分で家庭学習の指導を行う方もあるでしょう。学校の宿題を手伝ったり、ちょっとした質問に対して一般常識の範囲で答えることは、日常的にありうることだと思います。

 

例えば、宿題のプリントに子どもが書いた答えが、自分の知っているものと違っていたら、どうしても指摘したくなるものですよね。でも子どもが「学校でこう習った」と言い張ると、「そんなはずがあるか」とケンカに発展してしまうなんていうことも、しばしばあるのではないでしょうか。

 

塾の講師をしていると、教科書の改訂や教材の仕様変更などで、折に触れて最新の数値を見聞きすることができるのですが、学校教育から離れて10年も経つと、自分たちが習ったはずのものと数値や事実関係が変わってしまっていることがあります。 たった10年の間に、です。

 

21世紀が始まって、まもなく20年。現代社会は情報通信をはじめとした科学技術の発達にともなって、めまぐるしく変化しています。20年前というと、いま小学生の子を持つ親御さんがまだ高校生くらいのころでしょうか。時代の流れに取り残されないよう、一般常識を更新していきましょう。ちなみに、筆者は昭和61年の生まれで、20年前当時は中1です。

※数値は2019年12月現在のものです。

 

■地理編

・世界人口:約77億人

筆者もそうですが、世界の人口は約60億人であると習った世代は多いのではないでしょうか。たった20年でおよそ1.3倍ですから、人口問題や食糧問題が緊急性のある課題として議論されるのも当然と言えましょうか(1)。  

 

補足(1) インドの人口:約13億人  

これも信じられないことですが、人口1位の中国(約14億)とほとんど差がないところまできています。20年前は10億人以下でした。たしか8億と習ったはずなのですが…。

 

・EU加盟国:28か国

昨今、イギリスのEU離脱が頻繁に報道されていますが、それ以前に、「EUってそんなに国の数があったんだ」という声が聞かれそうです。筆者も同感です。 2004年に東欧を中心として一気に10か国も増えているので、それ以前に義務教育を終えていれば15か国と習っているはずです。

 

トルコや旧ユーゴスラビア諸国(2)など、今後まだまだ増える予定となっています。一方で、中核となっているドイツやフランスなどでは多国間協調よりも自国の国益を優先する風潮が近年高まっており、その最たる例がイギリスの離脱問題です(イギリス国家を意味するBritishと退出exitを合わせてブレグジットBrexitといいます)。民族意識や各国のパワーバランスにとっては重要なことだと理解してはいますが、受験勉強をする学生やその指導をする立場から言えば、まったくもって迷惑な話です。

 

補足(2) ユーゴスラビア

1918年から2003年まで使われていた国名で、その間に王国から社会主義の連邦共和国、冷戦後は社会主義を放棄した体制へと変わっています。統合と分裂の非常に複雑な歴史があるため詳細は省きますが、現在はセルビア、クロアチア、モンテネグロ、スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、北マケドニアに分かれています。ちなみに、「ユーゴスラビア」とは「南のスラブ人」という意味です。

 

■公民編

・国会議員定数:衆議院465人、参議院245

※2019年現在

 

筆者は「衆院480、参院252」で習った記憶があるのですが、調べたところ、衆議院で「小選挙区比例代表並立制」が導入されたのが1996年で、その時の衆議院の定数は500人でした。その後、2000年の選挙では定員が20減らされ480となっています。現在の定数になったのは2017年の総選挙からです。

 

衆議院は一貫して定数が減っていますが、参議院は2004年の時点が定数242と最少で、今夏の参議院選挙では定数245、2022年に予定されている選挙では248になります。これは、いわゆる「一票の格差」(3)による地域間の差を埋めるための措置です。

 

補足(3) 一票の格差  

たとえば、有権者が5,000人いるA選挙区から1人当選するのと、10,000人のB選挙区から1人当選するのでは、Aのほうの1票がBに比べて2倍の重みがあるではないか、というのが「一票の格差」です。これが日本国憲法にある「法の下の平等」に反するということで、裁判所は憲法に違反している「違憲状態」であるという判決を出し、政府や国会に格差を是正するよう促しています。

 

 

■理科編

・太陽系惑星の数:8個

さあ、理科の時間に習った惑星の覚え方を思い出しましょう。 「すい・きん・ち・か・もく・ど(っ)・てん・かい・めい」…9個ありますね。

 

そう、筆者をはじめ、いまの30代以上の人にとって、太陽系の惑星は冥王星まで含めた9個なのですが、2006年に国際天文学連合が「惑星」の定義を見直し、冥王星は惑星とは言えないことになりました。

 

そもそも冥王星は地球の衛星である月よりも小さく、また、1930年に冥王星が発見されてから現在までの間に、技術の進歩による天体望遠鏡の性能の向上や宇宙探査機による観測などで、太陽系の端、海王星よりも外側の状況が次第に明らかになりました。

 

その結果、冥王星以外にも同様の天体(エリス、ケレスなど)が発見されたり、当初予想されていたよりもかなり多くの天体があることがわかりました。

 

天文学者は言葉・用語の再定義を迫られ、最終的に冥王星とそれと同様の性質を持つ天体を「準惑星」と新たに名付けました。ゆえに、義務教育で覚えるべき惑星の数は海王星までの8個となったのです。

 

今回とりあげたのは4項目だけですが、数値が変化しているものは他にもたくさんあります。農産物の生産量や、石油・石炭などの鉱山資源の産出量・輸出額のランキングなどもそうですし、そもそもの国家の数も新たな独立などで増えていたりします。

 

自分の中で常識だと思っていたことも、時代とともに変化します。教訓として言えるのは、わかっているつもりにならず、きちんと信頼のおける情報にアクセスしてから判断する必要があるということです。これをきっかけに、いろいろ調べてみてはいかがでしょうか。

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