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勉強お役立ちコラム

2019.12.04

いろんなお仕事シリーズ・第3弾 「消防官」

 

今回もなりたい職業ランキング上位の紹介です。『め組の大吾』、『炎炎ノ消防隊』など少年マンガにも掲載されるほどの憧れの強い職業、それが消防官です。 では、どうしたら消防官になれるのかをご紹介しましょう!

 

 

■消防官になるためには?

 

まず、消防官になるためには、各自治体が実施する「消防官(消防士)採用試験」に合格する必要があります。この試験に合格した人を対象とした採用自体も、自治体ごとに行われます。

 

自治体によって試験日程や試験内容などには違いがあるので、自分が受験したいと考える自治体の試験の情報については、事前によく確認しておきましょう。

 

たとえば、東京消防庁での採用試験は受験資格の異なる4つの区分で行われており、それぞれの難易度は以下の通りです。

 

・Ⅰ類:大学卒程度

・Ⅱ類:短大卒程度

・Ⅲ類:高校卒程度

・専門系:法律、建築、電気、電子、通信、化学、物理、土木、機械などの専門知識を持っている人

 

専門系以外では、特に学校の学部・学科が問われることはありません。 なお、上記の区分はあくまでも「試験の難易度」を示すものであり、最終学歴が高卒であってもⅠ類を受験することも不可能ではありません。

 

ただし、区分ごとに年齢制限が設けられているので注意が必要です。また消防士は学歴によって有利・不利という仕事ではありませんが、区分によって初任給、昇進・昇給のスピードや幅などに違いが出てくるため、まずは自分が消防士としてどの枠で働くのか、事前に情報収集しながらしっかりと目標を定めることが大切です。

 

ちなみに東京都消防官の採用倍率は、例年いずれの区分もほとんどが10倍以上! 消防士は、非常に高倍率で人気の高い職業と言えます。

 

 

■専門系の消防士とは?

 

消防士採用の区分は通常、どの自治体でも「Ⅰ類(大卒程度)」「Ⅱ類(短大卒程度)」「Ⅲ類(高卒程度)」といった試験の難易度別で分けられているのですが、東京消防庁では前述にもある通り、これらの区分に加えて「専門系」という区分での採用を行っています。

 

専門系消防官とは、高度の消防行政を担う中枢職員として、専門区分での知識を活用できる部署での活躍を期待しての採用区分となっており、いわゆる「幹部候補」としてのキャリアを歩みます。

 

専門系の採用試験では、大卒程度の一般教養に加えて「化学、法律、通信など」に関する専門知識が問われます。 しかし、災害現場での消防活動に従事する消防官という点では、その他の消防官と違いはありません。専門系で採用された場合、配属先の消防署では、最初の数年はその他の消防士と同じく新人として実践的な訓練を受け、その後は事務や広報を中心とした業務に携わりながら、キャリアを積み上げていくのが一般的です。

 

専門系消防官の採用枠は毎年10名程度と限られており、狭き門となっています。採用者の一部は、将来的に消防本部の幹部吏員や消防総監のポストに就きます。

 

とはいえ、消防士になる段階では、何か特別な資格が必ず求められるわけではありません。幅広い学歴の人に消防士になるチャンスはあるとも言えます。

 

また専門的な知識や技能が求められる消防士は、高校や大学などの学校で何を学んできたかよりも、現場でいかに正しく動けるかが重視されやすい職業。そのため、現役消防士を見ても人によって学歴はまちまちですが、中学や高校の頃から消防士を目指している人は、1年でも早く現場に出たいという思いから、高卒後すぐに消防士採用試験を受けるケースも多いようです。

 

一方で、大学に進んで幅広い勉強をし、見聞を広めてから消防士を目指す人もたくさんいます。 「専門系」の区分で試験を受けない限りは、消防士になるために特別有利になる学部・学科はないのです。

 

このように、消防士になるために必ず出ていなくてはならない学校はありませんが、消防士は大変人気職で、各自治体の消防官採用試験の倍率も高くなりがちです。こうしたことから、最近では消防官採用試験の合格をおもな目的とした専門学校やスクールが首都圏や関西を中心にいくつも設立されています。消防士を目指す人の中には、こうしたスクールを活用して、より効率的に採用試験対策を行っている人もいるようです。

 

 

■消防士のキャリアプラン・キャリアパス

 

▶︎消防学校へ入学する

消防官採用試験に合格すると、各自治体の消防学校に入学し、消防の基本的な知識や機材の扱い方など、消防士に必要な知識や技能を学ぶことになります。 消防学校は全寮制になっており、訓練・学習は基本的には半年間で修了。消防隊員としての立場で学ぶこととなり、在籍中も各自治体から消防隊員としての給与・手当等が支給されます。

 

▶︎消防署へ配属

消防学校を卒業後は各自治体の消防署へと配属され、消防士として働くことになります。

 

消防士にはさまざまな業務がありますが、最初は消防隊員として働き、地域の消火活動などの業務にあたるのが一般的です。 先輩とチーム(隊)を組んで行動し、消防士としての知識や技術をより高めていきます。

 

▶︎さらなるスキルアップを目指す

消防士の仕事は他人の命を助けると同時に、常に自分の身を危険にさらす仕事。命を救う技能を磨くため、消防署に配属後は実務経験を積みながら資格取得などを目指し、さらにスキルアップをすることも求められてきます。

 

具体的には、救急隊員として病院に搬送するまでに適切な処置を行う「救急救命士」、消化器やスプリンクラーなどの点検を行う「消防設備士」、さらには「防火管理者」や「自衛消防技術認定」などさまざまな資格があり、これらの取得を目指していくことで、自分のパフォーマンスのレベルを向上させることができます。

 

また、地方公務員である消防士は管轄の地域内での異動・転勤もあり、さまざまな業務に関わりながら消防士としてさらなるステップアップを目指していきます。

 

 

■消防士を目指せる年齢は?

 

消防官採用試験には、一般的な公務員試験とは別の応募資格や年齢制限が設けられています。 具体的な内容は自治体によって異なりますが、年齢については、多くの自治体で18歳~30歳くらいまでとしています。 この背景には、消防士が体力を要する職業であることや、特殊なスキルが必要になる職業であることから、若いうちに採用して経験を積み、早く一人前の消防士になってもらいたいという狙いがあるともいわれています。

 

参考までに、東京都の消防官採用試験における年齢制限は以下のようになっています。

 

Ⅰ類:22歳以上30歳未満、または21歳以下の大学卒業者(卒業見込も可)

Ⅱ類:20歳以上30歳未満

Ⅲ類:18歳以上30歳未満

専門系:Ⅰ類と同様

 

あくまでも上記は一例であり、実際の年齢制限は自治体ごとに異なるため、受験を希望する自治体の採用試験の情報をしっかりと確認しておきましょう。

 

■消防士は高卒から目指せる?

 

 

消防士になるには年齢制限はありますが、学歴についてはさほど重視されておらず、高卒の人でもこの職業に就くことができます。

 

大卒者は、配属された時点では高卒者よりも高い初任給がもらえますが、その後のキャリアについては、高卒者が昇任試験を受けて大卒者より早く上にいくこともあり得ます。 また、レスキュー隊など、現場のなかでもとりわけ高度な技能が求められる業務に就くには、より若いうちから経験を積んでいる高卒の人のほうが有利といわれることもあります。

 

高卒から消防士になるのか、それとも大卒で消防士になるのかは、あくまでも本人の自由。何歳で消防士になりたいのか、学校でどのようなことを学んでから消防士になりたいのかをイメージし、進路を決めるとよいでしょう。

 

 

■消防士は女性でもなれる?

 

消防服を格好よく身にまとった消防士というと、どうしても男性の姿が思い浮かべられることが多いようです。 しかし、女性でも消防士になることは可能で、最近ではどこの自治体でも女性の消防官の数が増加傾向にあります。2017年には、全消防官に占める女性消防官の割合が6.5%にまで上昇しています。

 

女性が消防士になるための流れは男性とまったく同じですが、女性枠を設けている自治体は限られています。 女性で消防士を目指していきたい場合、まずは各自治体の募集要項をチェックしてみましょう。 また、男性と同じく女性も消防官採用試験の受験資格として身長や体重の制限や、視力などの条件があるため、その点についてもよく確認しておくことが重要です。 女性の消防士は体力面では男性に劣るかもしれませんが、この仕事では救急の現場など市民と触れ合う場面も多く、女性ならではの柔らかな印象や親しみやすさは大きな強みになると言えるでしょう。

 

また働き方も選ぶことができます。現場で活躍することもできますし、デスクワーク中心のお仕事をすることも可能です。 消防士の業務内容やキャリアパスは多岐にわたり、また公務員としての安定した待遇もあるため、女性消防士が長く働き続けることは十分に可能だと言えるでしょう。

 

いかがでしたでしょうか。「命を守る」という重大な任務を担う消防士。どんな仕事なのか、どうしたらなれるのか、どんな風にキャリアアップしていけるのか。ぜひ参考にしてみてください!