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勉強お役立ちコラム

2022.07.31

「知る」と「わかる」どう違う?

問題に答えてみましょう

いきなりですが問題です。

 

 Q. コケ植物にみられ、からだを地面に固定するはたらきをもつつくりをなんというか(中学1年理科)。

 

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 A. 仮根

 

それでは続けてもう1問

 

 Q. アメリカ合衆国で行われている農業のうち、北東部から五大湖畔にかけての地域で盛んに行われているものは何か(中学1年地理)。

 

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 A. 酪農

 

いかがでしたでしょうか? 正解された方は、おめでとうございます! 間違えてしまった方は残念……、ではなくここからが学びのチャンスです。

 

さて間違えてしまった方は、以下のようなことが理由として挙げられると思います。

 

 ● 小学生だから習っていない

 ● 知っていたのに思い出せなかった

 ● ずっと昔に習ったから忘れていた

 

この中の「知っていたのに思い出せなかった」を今回のコラムのテーマにしたいと思います。

 

「知る」とは

図書室の写真素材 - ぱくたそ

 

「知る」とは、簡単に言えば知識を「持っている」状態です。授業で習った人は「仮根」や「酪農」といった単語を、知識として持っています。言い換えれば、単語が頭の中に入っている状態である、とも表現できます。

 

「理科や社会のような暗記系が苦手です」という生徒さんのお話をよく聞きます。理科や社会のテストにも計算問題や記述問題、さらに資料の読み取り問題などもありますが、その中には基礎的な知識を問う問題も含まれています。

 

そのような問題に対して、答え合わせのときに間違えた問題に赤ペンで正しい答えを書いても、「持っているもの」の再確認で終わってしまいます。知識として持っているものを10回、20回と書き取りをしても意味がありません。

 

それにしてもなぜ知っているのに答えられない、ということが起こるのでしょうか。「知っている」というのはただ頭の中に入っているだけですので、残念ながら取り出せるかどうかはわからないのです。タイトルだけの情報で、大きな図書館の中から1冊の本を探す ことを想像してみると難しさが伝わるでしょうか。まさにそのような状態です。

中力

「知る」を「わかる」に変えよう

ノート

 

「わかる」とは知識を本質的に理解し、判断できる状態です。前半部分の「理解し」については、「仮根」や「酪農」という単語を持っているだけではなく、一歩進んでその単語が持つ内容も一緒に覚えられている状態です。

 

先ほどの「図書館での本探し」の例えで言えば、タイトルに加えてジャンルや作者、大きさや背表紙の色などの情報も得ているといった感じでしょうか。理科や社会の勉強の場合では、知っている知識と知識がしっかりつながっている状態になっているということです。

 

そこで私は、暗記系が苦手だという生徒さんに「間違えた問題は逆一問一答ノートを作ってみよう」と提案します。これは教科書や辞書などを見ながらでもよいので、「自分の言葉で単語の説明を書く」というものです。

 

例えば仮根の場合「コケ植物にみられる根のようなつくりで、根のように水は吸収できないが、からだを岩や地面に固定する」というイメージです。

 

ポイントは「自分の言葉で書く」という部分です。教科書などで与えられた情報を整理することで、理解度・定着度が上がります。理解度・定着度が上がることで、多くのメリットが得られます。

 

 ①問題文に出てくる言葉(仮根の例の場合「コケ植物」「地面に固定」など)が定着しているので、それがヒントになり質問に対する答えを導きやすい

 

 ②記述問題の対策になる

 

 ③新しい「なぜ?」「どうして?」が生まれやすい

 

この逆一問一答ノートは暗記系の教科において、かなり有効なのではないでしょうか。

 

本当の「わかる」とは

乳牛

 

先ほどの「わかる」の説明では意図的に後半部分の「判断する」に触れずにいましたが、「逆一問一答のメリット③」が非常に重要となってきます。

 

例えば冒頭の問題の2問目、酪農を例に説明します。まず酪農について単純に逆一問一答ノートを作るなら「主に牛を飼育して牛乳や乳製品を生産する農業の形。アメリカ北東部、オランダ、北海道の根釧台地などで盛ん。」といった感じになります。もちろんこれでも十分に知識と知識をつなげることはできます。

 

ところでアメリカの農業について、授業では「適地適作」という言葉も合わせて習いました。適地適作とは、気候などの自然環境に最も適した作物を生産することですが、「なんで北東部が適しているのかなぁ」という新しい疑問が浮かんできます。

 

 ①冷涼でやせた土地(土壌については高校で習います)なので牧草以外の作物は生産しにくい

 

 ②牛は冷涼な環境の方が体調に良い

 

 ③大消費地に近い

 

などが理由として見えてきますが、これが酪農という知識の本質につながります。そのままオランダや北海道の根釧台地で盛んな理由にも納得できますが、それだけではありません。

 

というのも酪農は栃木県や岩手県などでも盛んなのですが、②や③の知識があれば逆一問一答にそのことを書いていなかったとしても、そういった問題へも対応ができ、自信をもって判断することもできるようになりますよね。ここまでくれば本当の「わかる」だと思います。

 

知識を持っている状態の「知る」から、知識をつなげ理解し判断する「わかる」へ。一朝一夕にできることではありませんが、その先の「できる」につながる大切な一歩です。お子さんの勉強のしかたを考える際、お役立ていただけたら嬉しいです。