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勉強お役立ちコラム

2020.05.28

【山形】五月雨は「五月」に降らない?~入試によく出る季語~

緊急事態宣言が明けた山形では、学校再開となり登下校の子どもたちを多く見るようになりました。

しかし、今回の休校措置による学校や子どもたちにかかる負担というのは計り知れません。

山形市の教育委員会のホームページでは、夏休みの期間の定めや部活動の取り決めなど大枠が発表されています。

 

山形市の教育委員会のホームページの発表によると、今年の山形の夏休みは2週間程度部活動は週3日程度で活動すること、また学校行事が精選されて授業の時限数を増やしていく見解です。

山形に限ったことではないですが学習の遅れなどが懸念されているなか、この遅れを早く取り戻せることを切に願っています。

 

さて、ここ最近寒暖差が激しく、天気も崩れることが多い山形ですが、 今回はそんな雨にまつわる言葉からお話していけたらと思います。

 

五月雨。みなさんは正しく読めますか?
保護者様は近くにお子さまがいたら、聞いてみてください。

 

最上川

 

正解は「さみだれ」

五月雨を 集めて早し 最上川   松尾芭蕉
(五月雨を集めてきたみたいに流れが早い最上川だなぁ)

と山形県を旅した俳聖も詠うぐらい俳句では有名な季語です。

さて、こちらの「五月雨」ですが「五月」と入っていますから、文字通り、「五月に降る雨」のことなのでしょうか?

 

今と昔で季節が違う?

実は「五月雨」とは五月には降らない雨なのです!

「五月雨」とは長く続く雨のことで、陰暦の五月に降るとされていました。
陰暦五月は現在の六月を指しますので、「五月雨」=「梅雨」を表す言葉だったのです!
当時、大石田港から最上川を下っていた松尾芭蕉。梅雨に降る雨を全部集めたぐらいの急流って、よほど怖い思いをしたのではないかと想像できます。

 

そして季節は「夏」。私たちの感覚で「五月」はまだ「夏」ではないような気がしますよね。
「梅雨」もまだまだ夏ではないような…
このように、俳句の“季語”は、現代の私たちの感覚とは異なっていることが多いのです。

 

高校入試において、俳句の問題は対策を怠りがち。
俳句の読み解きは“季節”を正しくとらえることが重要です!!

 

次の俳句を見てみましょう。

うれしさや 七夕竹の 中を行く    正岡子規

子規が生涯でもっとも長く旅をしたのが山形県。
当時、短冊がかかっているたくさんの竹をみた際に心が弾んでいる、子規の気持ちがよくあらわれている句ですね。

 

さて、この句の季語は「七夕」です。
みなさんは春夏秋冬どの季節をイメージしますか?

 

7月7日が現在の七夕です。
気温も上がり、夏真っ盛り! というイメージですよね。
ですが、「七夕」を季語として見ると季節は「秋」
こちらも一筋縄ではいかない季語だったのです。

 

高校入試問題では「季節が紛らわしい季語」を使った出題が多く見受けられます。
季節を読み違ってしまうと、とたんに正解から遠ざかってしまうことも!

 

季語は陰暦に基づいて設定されたもの。
今の私たちの感覚とはおよそ一か月のズレが生じています。
感覚を頼りにせず、間違えやすい季語については暗記してしまいましょう!

 

間違えやすい季語

【春】
薄氷 雪崩(なだれ) 陽炎(かげろう)
【夏】
梅雨 五月雨 ほととぎす 夜の秋
【秋】
七夕 墓参り 花火 秋の夜
【冬】
小春 七五三 ひなたぼっこ 春の七草

 

季節と表現技法さえ押さえてしまえば、俳句の問題は得点源になります!
入試に向けて模擬試験や定期テストのときに、「点数を取りこぼさない」練習をしていきましょう!!